関東の古墳&陵墓研究

関東地方(主に埼玉県や茨城県)の古墳や遺跡、神社仏閣等を見学し紹介してます。 個人的に好きな陵墓関係の記事や書籍も紹介してます。

東松山市

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は以前に見学した東松山市内の運動場駐車場内と、
その周辺に残存している岩鼻古墳群の内、
「埼玉県古墳詳細分布報告書」には『大破壊』と記載されている古墳と、
その向かい側の運動公園の端に不自然に残っている古墳と思われる箇所を、
それぞれ紹介していきます(^^

まずは、岩鼻古墳群の分布地を。。。
IMG_3240
南北に長い分布域が特徴で、無袖型横穴式石室が露出している、
菅原神社古墳は分布域最南端に有ります。

そして今回、岩鼻24号墳では?と思われるのは、
上の分布域で赤い丸を付けた箇所となります。
IMG_3216
東から見た岩鼻24号墳らしき高まり。
古墳らしき高まりの両側(南北)に土手状の高まりが有るので、
一見すると前方後円墳の様に見えます(^^;

似たような事例(土手などに墳丘ごと取り込まれる)に、川島町の大塚古墳が有ります。
IMG_3217
少し近づいて。
もしこれが古墳の名残であるならば、
直径15m✖高さ3.5m程の規模を有していると思われますが、
「埼玉県古墳詳細分布報告書」には円墳である以外に、
規模は未記載となっているので上の規模は個人的な推測に過ぎません(^^;
IMG_3218
頂部に登ってみました。
西側は崖状に削られていて、かなりの急斜面です。
岩鼻古墳群は古墳時代後期~終末期頃に造営された古墳群ですが、
特に石材や土器片などは見当たりませんでした。

:岩鼻24号墳(仮):
・所在地:東松山市松山2681付近 市営野球場の南側木立内
・墳形:円墳
・規模:不明 
・備考:「埼玉県古墳詳細分布報告書」には『大破壊』と記載
    南北に土手状の物体が有る為、遠目には前方後円墳状に見える

次に上の分布図で青い丸で示した箇所に有る物体が。。。
IMG_3221
こちらの不自然な盛上り。。。
フェンスの向こうは東松山市営球場のグラウンドが有ります。
IMG_3222
反対側に回ってみて撮影したのがこちら。。。
樹木の根保護の為だけでは無さそうな雰囲気と大きさ。
土器片や露出石材などは皆無でしたが、岩鼻古墳群分布域内では有るので、
元は古墳だったとしても違和感は有りません(^^;

次回は吉見町の稲荷塚古墳を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は下松古墳群からセレモニーホール駐車場内に、
現状保存されているこちらの古墳を紹介します(^^
IMG_3241
「埼玉県古墳詳細分布報告書」に記載されている該当部分
南から全景
南側から見た下松2号墳全景
セレモニーホール駐車場内に、特に周囲にフェンスなども設置されていない状態で保存。
東から
東から
墳丘直径12.7m✖高さ1.8m程の規模を持つ円墳です。
埴輪片
封土に埋まった状態の埴輪片や土師器片が多数見られます。
夥しい土師器片
現代の植木鉢破片も有りますが、茶色い破片はほとんどが土師器片です(^^;
頂部から見下ろす
頂部に立って南方向を見ると、白いフェンスの向こうに下松1号墳が見えます。
除草シート
墳丘には頂部から北側斜面にかけて除草シートが敷かれてます。
何故全面では無くここだけなのか疑問です(^^;
気になる石材
墳丘西側裾と、
南側裾石材
南側裾に気になる石材を見つけました。

また、墳丘西側斜面の頂部近くに。。。
墳丘西側露出石材
石材が多数露出してました。
位置的に横穴式石室の裏込め石でしょうか?
もしくは西側に向けて開口している羨道or玄室の天井石?
他にも河原石が幾つかみられたので、葺石を持つかも?

こちらの古墳も調査は実施されていないので不明な事ばかりです(^^;

:下松2号墳:
・所在地:東松山市松本町2ー1ー26
・墳形:円墳
・規模:直径12.7m✖高さ1.8m
・埋葬主体部:横穴式石室?(石材露出)
・出土品:不明だが土師器片、埴輪片多数散見
・築造年代:古墳時代後期~終末期
・備考:セレモニーホール駐車場内に現状保存
    頂部から北側斜面に向けて防草シート設置

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は東松山市内に2基現存する下松(しもまつ)古墳群より、
こちらの古墳を紹介します(^^
南から遠景
南側から眺めた下松1号墳遠景
古墳は私有地内(周囲をフェンスで囲まれてます)にある為、
墳丘への接近は不可能状態。。。
北西から
北西側から眺めた墳丘遠景
フェンスで囲まれている為、これ以上近寄れません(^^;
墳丘直径17m✖高さ2mの規模を持つ円墳で、
頂部の平坦面が広い事から、以前は社殿的な物が頂部に有ったのかな?
現在は南側端に石祠が祀られてます。
私有地内に有る為か調査はされておらず、墳形と規模以外の詳細は不明です。
IMG_3241
「埼玉県古墳詳細分布報告書」ではこちらが該当箇所です。

:下松1号墳:
・所在地:私有地内の為未記載(四方をフェンスで囲まれてます)
・墳形:円墳
・規模:直径17m✖高さ1.8m
・築造年代:古墳時代後期?
・備考:頂部に祠有り
    駐車スペース無し

次回は下松2号墳を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は東松山市内の寺院境内に所在している古墳を紹介します。
20221218_152454627
「埼玉県古墳詳細分布報告書」では34-35-1が該当部分です。
■が記載されてますが、特に方墳という訳では無く「近世塚」を意味してますので、
備考欄にも「塚の可能性有り」と記載されてます。
近景
南側から見た光福寺裏古墳全景
報告書では直径20m✖高さ2.5mの円墳と記載されていますが、
どう見ても、倍以上の規模が有ります(^^;
北側と墓地に接している西側と南側斜面の一部が多少削られていますが、
それでも直径30~35m✖高さ5m以上の規模が有る様に見えます。。。
抉れた南側斜面を裾から
南側斜面を裾から見上げた感じ。
どう見ても高さ2.5m以上有りますよね?(^^;
埴輪片
また、「塚の可能性有り」とするには不自然な程、斜面上には条線が刻まれた埴輪片や、
土師器片
土器片
土師器片2
土師器片と思われる土器片などが、多数散乱してますので、
塚では無く、間違いなく古墳である可能性が高いと思います。
また、古墳の南西側に寺院内で国の文化財指定を受けている宝篋印塔と青板石塔婆が、
保存されている覆屋(後日別記事にて紹介予定)が有るのですが、
その覆屋の前に。。。
覆屋近くに安置された石材
大きな凝灰岩と思われる石材が3個置かれてます。
これ以外に大きな石材は見られないので、抉られた南側斜面から出てきた、
横穴式石室の石材ではないかと考えてます(^^
頂部から見下ろす
墳丘上に登って、頂部から見下ろした感じ。
かなりの高さが有りますが、封土斜面角度はそれほど急ではないので、
比較的登り易かったです(^^
覆屋の左に石材が並んで置かれているのが見えますね(^^
抉れた南側斜面を上から
抉れた南側斜面中央部を頂部から。。。
この部分だけザックリと削られてます。
以前に何か構造物でも有ったものと思われます。
頂部の石仏
頂部平坦面東端寄りには石仏が2体と何かの台座が置かれてますが、
特に左奥の石仏は石室石材を利用して彫られた印象を受けました。
頂部平坦面上の石材
頂部平坦面の西側には丸く加工された石材が置かれてます。
元は石室石材で、石仏か何かの土台だったのでしょうか?
自然地形?前方部?
また、墳丘は周囲よりも少し高い位置に有りますが、
墳丘の東側に竹が何本か剪定された箇所が有ります。
この場所を含めて遠目に見てみると。。。
円墳?帆立貝型前方後円墳?
前方部が低くて短い帆立貝型前方後円墳にも見えてきます(^^;
また、墳丘奥の竹林内には。。。
土塁?周堤?
周囲よりも1m程高くなった土塁的な構造物が、長さ約15m程見られます。
寺院なので、境界線的な物だと思いましたが、それにしては一部だけなのが、
かえって不自然に思いました。。。
ちょうど土塁的構造物の南側に窪みが見られるので、
周濠では無いにしても何らかの溝的な構造物が有ったものと思われます。

「塚の可能性有り」と片付けずに、「埼玉県古墳詳細分布報告書」の墳形の項目も、
円墳なのか帆立貝型前方後円墳なのかをはっきりして欲しいのと、
南側斜面を発掘して石室の残存具合と、墳丘規模が明らかに記載されているサイズと違うので、
再確認/再調査などを細かく実施して欲しいです(^^

:光福寺裏古墳:
・所在地:東松山市岡498 光福寺
・墳形:円墳 帆立貝型前方後円墳?
・規模:直径20m✖高さ2.5m(埼玉県古墳詳細分布報告書)
    (目測)直径30~35m✖高さ5~6m
    (可能性)全長50mの帆立貝型前方後円墳?
・埋葬主体部:横穴式石室?
       裾近くに凝灰岩石材有り
・出土品:円筒埴輪片、土師器片多数散見
・備考:塚の可能性有り(「埼玉県古墳詳細分布報告書」)
    光福寺社殿脇に所在
    墳丘北側竹林内に土塁状盛土有り
    参拝者用駐車場有り(未舗装、砂利敷き)

次回は光福寺宝篋印塔青板石塔婆を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は東松山市内(熊谷市に近い北部側)に所在している、
古墳を1基紹介します。
東から
東側から見た五反林(ごたんばやし)1号墳全景
後日紹介予定の光福寺裏古墳に向かう途中で存在に気付いた古墳で、
帰宅してから3基確認されている内の1基である事が分かりました(^^;
車を走らせていた時に「何か有る?」とは思ってましたので、
一旦光福寺裏古墳を見学に行ってから戻ってきて撮影しました(^^;
北東側から
北東側から。。。
道路に見えますが、民家へ続く私道なのでこれ以上は入りませんでした(^^;
道路を進んだ左奥に墳丘の裾と斜面が一部見えてます。

〇五反林古墳群の概要を「埼玉の古墳 比企・秩父」から
三千塚古墳群が形成されている丘陵の東端部分の北西側に築造された古墳群で、
現在東西径約21m✖南北径約19m✖高さ約3mの円墳(五反林1号墳)が、
現存している。
昭和61年(1968)に行われた五反林遺跡の調査で、円筒埴輪をもつ円墳跡2基
(五反林2号墳、3号墳)が発掘されている。

接近
私道で入れないので、角度を変えてズームしたのが上の写真
東側と南側を宅地建設で削平された結果、方形墳の様になってます。
内部の様子
東側道路から頂部へ登れるようになっていたので、早速登ってみました。
最初は円墳と思わず、方墳と思っていたくらい東西方向に長い墳丘です。
頂部の祠
頂部西側端に石祠が祀られてました。
西側へ進むと民家脇に露出している斜面に出れますが、
個人宅敷地内の可能性が高い為、そちらまでは行きませんでした(^^;

他の2基が円筒埴輪をもっていたとの事で、
露出していた部分を観察してみましたが、特に遺物などは見つかりませんでしたし、
埋葬主体部を推定させるような石材の露出も見られませんでした。
開口部が多い南側斜面は西側とは別の民家が接している為、観察は不可能。。。

墳形と規模が判明しているだけで、個人宅敷地内の可能性が高い為でしょうか、
現地には説明板も標柱も無く、最初は富士塚かと思ってしまいました(^^;

入念に事前に下調べをしてから古墳見学を行ってますが、
時折こうして見学リストに載っていない古墳を現地で気づくことが有ります(^^;
「埼玉県古墳詳細分布報告書」も「埼玉の古墳」も編纂や出版が古いので、
両資料に未記載の墳丘を見つけると嬉しくなります

※古墳所在地ですが個人宅敷地内の為、詳細は控えさせて頂きます。
:五反林1号墳:
・所在地:東松山市岡
・形状:円墳(現状方形)
・規模:(目測)南北径19m✖東西径21m✖高さ3m
・備考:頂部西側端に石祠有り
    駐車スペース無し
    2号墳、3号墳は調査時既に破壊

次回は光福寺裏古墳を紹介します。

↑このページのトップヘ