関東の古墳&陵墓研究

関東地方(主に埼玉県や茨城県)の古墳や遺跡、神社仏閣等を見学し紹介してます。 個人的に好きな陵墓関係の記事や書籍も紹介してます。

我孫子市

皆様こんばんは~(^◇^)

本日は我孫子市内で日立精機2号墳と共に、
見学して来ました古墳を紹介します(^^
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遠坪(とおつぼ)古墳の全景。
上の写真は南側から撮影した物。
鳥居が墳裾近くに建てられ、墳頂部に祠が祀られてます。
我孫子古墳群に属する古墳ですが、我孫子駅周辺で見られる古墳は、
日立精機2号墳とこの古墳くらいなので、他は消滅したものと思われます。
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北側から見た墳丘。
元は一辺30m✖高さ3~4m程の規模の方墳だった様ですが、
現在はご覧の様に、周辺を宅地開発されて、
一辺10m✖高さ2m程の小さな墳丘が残るのみです。。。
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墳裾に置かれた大きな石材。
南側から。。。
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裏面。。。
この石材は裏面の方に整えた跡が見られるので、こちら側が石室の内側に当たる面で、
石室の奥壁か側壁に使用されたものだと思われます。
実際、この古墳には大きな石材を使用した横穴式石室が有った事が分かっています。

また、この石材と鳥居を挟んだ向い側にも・・・
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先ほどの石材に比べると少し小さいですが、大きな石材が安置されてます。
コチラは大きさから側壁に使用されたものでしょうか?
この2個以外に石材は見られ無かったので、他の石材は何処かに持ち去られたものと思われます。
また、川原石は数個見られたので、葺石が有った可能性も有るかと。。。
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墳裾から墳頂部を見上げた感じ。
鳥居をくぐって直ぐの場所から撮影しました(^^
落ち葉が大量に堆積していて、遺物の露出や封土の様子を観察するのは、
少々困難な状況でした。。。
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墳頂部の様子。
頂部端の北側に小さな祠が祀られてます。
墳丘や周囲は荒廃してしまってますが、祠に供物が見られたので、
付近の住民に大切に管理されているであろうことは分かりました(^^

また、この古墳からの出土遺物は特に伝えられてませんが、
墳丘東側墳裾近くで、土師器杯の底部と見られる破片を見つけました。
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見つけた時の状況。。。
弧線を描く突起が見られるので、杯類の底部であろうと判断しました(^^
他にも数点小片では有りましたが、土師器片を幾つか樹木の根本等で見られました。

:遠坪古墳(とおつぼこふん):
・所在地:我孫子市並木5-2-9
・墳形:方墳 葺石?
・規模:(元規模)一辺30m✖高さ3~4m
    (現状)一辺10m✖高さ1.8m
・周濠:有り
・埋葬主体部:横穴式石室
・出土品:不明 墳丘東側墳裾で土師器片散見
・築造年代:7世紀代
・史跡の指定:市指定
・備考:墳丘南側に鳥居、墳頂部に祠有り
    墳丘南側東西に石室石材と思われる巨石有り
    駐車スペース無し
    JR我孫子駅下車徒歩9分(東方向へ750m)

皆様おはようございま~す(^◇^)

・・・さて本日は、我孫子市内の古墳を紹介します(^^
まだ未見学の古墳は来月もしくは年明け以降の訪問になるので、
とりあえず撮り貯めておいた古墳を紹介します
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日立精機2号墳の遠景。
左手前が前方部で、看板が立っている辺りがくびれ部です(^^
尚、この手前の道路の半分程が周堀の跡となります。
尚、1号墳(前方後円墳)はマンション建設の為消滅してます。
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説明板。
調査が実施されている古墳なので、金属製の頑丈な説明板が設置されています(^^
7世紀前葉頃の築造とされてますが、近畿では7世紀代の古墳は円墳や方墳の他、
多角形墳が採用され、精巧な切石を組んだ石室や、横口式石槨などを持つ古墳が多いですが、
関東では7世紀に入っても前方後円墳が築かれてた事が、最近の研究で明らかになってます(^^

※ちなみに千葉県市原市の六孫王原古墳(今後見学予定)は、
 前方後方墳ですが、築造年代は7世紀後半です(^^;
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墳丘実測図。
後世の改変を受けており、現在はくびれ部が少なく、
後円部と前方部の高さも50cm程しか差が無いです。
くびれ部に南側に向けて開口する横穴式石室が検出されてます。
横穴式石室は軟質砂岩を使用した両袖型横穴式石室で、前庭部を持ってます。
尚、この前庭部は調査後道路建設(1枚目の写真)により、破壊されております。。。
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モノクロですが、検出された横穴式石室の写真。
早くから改変を受けていた為か、
出土品は土師器杯、須恵器杯蓋、杯身のみでした。
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説明板と墳丘の間に設置された模型。
ちゃんと石室も再現されてます(^^
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模型の石室拡大。
落ち葉も掃除してくれてると高評価なのですが。。。(^^;
ちゃんと石組みまで再現してる点は良いですね
・・・では墳丘を観察してみましょう
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後円部(手前)から前方部を眺めた感じ
裾近くに玉竜が植えられている以外は、下草も少なく墳丘封土が観察し易いです。
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前方部(手前)から後円部を眺めた感じ。
東側の周堀は見学路になってます。
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後円部頂部から前方部を眺めた感じ。
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後円部頂部の様子。
ドングリなどの木の実、枯葉/枯れ枝くらいしか落ちてません。
ツルツルになった封土は滑り易いので、ご注意下さい(^^:
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くびれ部埋葬主体部埋戻し保存部の様子。
意外に細長い印象を受けました。
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前方部頂部から後円部を眺めた感じ。
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前方部頂部の様子。
コチラも後円部頂部同様、遺物は無し。。。
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北西側(前方部側)から全景。
真横からでは距離が確保できませんでした。。。
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後円部東側の周濠跡
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写真1枚目に写っていた看板には、この様な記載が(^^
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石室開口部及び、前庭部付近。。。
下草に覆われて判然としません。。。
こちらの古墳は常時見学可能ですが、マンション敷地内なので、
住民の方にご迷惑が掛からない様、見学の際はご注意下さい(^^;

:日立精機2号墳(ひたちせいきにごうふん):
・所在地:我孫子市我孫子2-1
・墳形:前方後円墳
・規模:全長30m
    後円部径18m✖高さ2.5m
    前方部幅23m✖高さ2m
・周堀の有無:有 幅5m
・埋葬主体部:軟質砂岩両袖型横穴式石室、前庭部有り
・出土品:土師器杯、須恵器杯蓋、杯身
・築造年代:7世紀前葉
・史跡の指定:市指定
・備考:駐車スペース無し(近隣のコインパーキング利用)
    JR我孫子駅下車徒歩10分(西へ750m)
    石室は調査後埋戻し

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