関東の古墳&陵墓研究

関東地方(主に埼玉県や茨城県)の古墳や遺跡、神社仏閣等を見学し紹介してます。 個人的に好きな陵墓関係の記事や書籍も紹介してます。

坂戸市

皆様おはようございま~す(^▽^)

昨日でネタ切れだったのですが、
天気も良かったので、昨日の記事を書いてから、
坂戸市にどうまん塚古墳の存在確認と、
東松山市へ古墳群3箇所巡ってきたので、
しばらくネタ切れは回避できましたが、
今年は雨が多く、梅雨入りも早そう。。。
また、秋までは古墳巡りは難しそうだなと感じました。。。
夏の間は、公園として整備されている史跡の他、
資料館や博物館へ赴いての資料集めとなりそうです(^^;

さて、坂戸市内に3基現存とされている下小坂古墳群ですが、
各ブロガー様が書かれている様に、分布報告書などでは消滅扱いとなっているハズの、
どうまん塚古墳実は現存しているとのことで早速確認に行ってきました(^^
南西から
南西からどうまん塚古墳遠景
墳丘全体
墳丘拡大
ご覧の通り、しっかり墳丘が残っています。

おそらく下小坂古墳群は川越市と坂戸市に跨っている事に加え、
ほとんどの古墳が民家敷地内や工場などの私有地内である為に、
双方の市の確認や連携が上手く進んでいないのだと思われます(^^;
先日私が見つけた民家裏の2~3基の古墳様盛土も、
未確認の墳丘だと思われますし、今回のどうまん塚古墳も、
発掘調査が行われた後で、「どうせ畑地用に開墾されて削平されるのだろう」
・・・的な感じに思われた結果、資料などでは「削平/消滅」扱いになったのでしょうね(^^;
しっかりその後も調べてから分布報告書に記載して頂きたいです。。。
北から
北側コンビニ駐車場からの眺め
見た所、頂部に祠が祀られているので、
現在も大切に現状保存されているものと思われます。

見学に行った時間は午前中でしたが、畑などに出払っていたのか、
住人が居なかったので、中には入れませんでした。。。

※2022年9月追記
埼玉県立歴史と民俗の博物館に行った際に、
どうまん塚古墳出土の遺物が多数展示(常設展示)されていたので、
見てきましたが、個人蔵の遺物なので写真撮影は不可でした。
また、学芸員さんにお話しをしたのですが、
墳丘が現存している事はご存じ無かった様子でした。
分布調査報告書では現在も消滅扱いになっているので、
再度調査をして現存扱いに訂正して頂きたいですね(^^;

※古墳所在地ですが個人宅敷地内の為、詳細は控えさせて頂きます。
:どうまん塚古墳:
・所在地:川越市下小坂 ファミリーマート向かいの私有地内
・墳形:円墳
・規模:直径24.5m✖高さ3.8m
・埋葬主体部:木棺直葬
・出土品:乳文鏡、滑石製臼玉162、大刀2,鉄鏃2束、
     桂甲、馬具類(辻金具、剣菱形杏葉3、楕円形鏡板付轡、
     十字留金具2,鉸具3)、剣状小形利器、鋳造鉄斧頭、
     砥石、鏡箱残片、麻布片
・築造年代:6世紀前半
・備考:分布図では消滅扱い
    個人宅敷地内につき見学は要許可
    駐車スペース無し

次回は毛塚古墳群を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

今年は例年よりも早めに梅雨入りしそうとの報道が有り、
後2記事分でネタが尽きますが、梅雨入りする前に見学に行くか、
梅雨明け後に行くか迷ってます(^^;
今週も行こうと考えてましたが、どうやら天気が崩れる模様なので、
天気良くならないかな~?。。。と、悶々としています(^^;

さて、本日はおはやし山古墳群の2号墳を。。。
1号墳から遠景
おはやし山1号墳前から見た、おはやし山2号墳の位置。
1号墳前の道を奥に進むと道沿いに有ります。
南から
南から見たおはやし山2号墳全景。
直径9,7m✖高さ1.5m程の小規模な円墳です。
こちらも1号墳同様、発掘調査は実施されていないので、
埋葬主体部や出土遺物などは不明です。
東側から
東側から頂部と祠を。
墳丘東側斜面上に祠が祀られてます。
気になる石材
祠の基礎部分には多数の礫や河原石が見られます。
最初葺石の装置が有るものと思いましたが、
この箇所以外に礫は見られないので、葺石では無く、
石室構築に使用された礫や河原石と思われます。
ただし墳丘の径が小さいので、小規模なサイズの石室であると思われます。
発掘調査が実施されていないので詳細は不明ですが、
この祠の基礎付近で土師器と思われる土器片を確認したので、
1号墳に続く6世紀後半~末頃に築造されたのでは?と個人的に推測しています(^^

当日見学に行った際は丁度昼の時間帯で無人でしたが、
土地所有者が古墳と周囲の草を刈っていた形跡が有ったので、
今頃は綺麗な土饅頭となっていると思われます(^^

※古墳所在地ですが私有地内の為、詳細は控えさせて頂きます。
:おはやし山2号墳:
・所在地:坂戸市森戸 1号墳の北方向
・墳形:円墳
・規模:直径9.7m✖高さ1.5m
・埋葬主体部:未調査
・出土品:不明 土師器片確認
・築造年代:後期~終末期
・備考:墳丘東側に祠有り
    駐車スペース無し


次回はたぬき山古墳を紹介します。

皆様おはようございま~す(^▽^)

本日は坂戸市内に有るおはやし山古墳群を紹介します。

まず概要を。。。
〇おはやし山古墳群
高麗川の広い沖積地に形成された古墳群。
現在径16m✖高さ2mの円墳おはやし山1号墳と、
おはやし山2号墳の2基が所在している。

南西から
南西から見たおはやし山1号墳全景
住宅地内の一角に造成用盛土状態で残存しています。
頂部から見下ろす
頂部から見下ろした感じ。
墳丘上に樹木が無い為、見晴らしは良いです(^^
墳頂部
墳頂部の様子。
頂部には供養の為か、卒塔婆が建てられており、
その脇に横穴式石室の天井石とされる板石が露出しています。
頂部石材正面
頂部石材正面。
卒塔婆側には梵字が彫られてます。
頂部石材2個目
板石の脇にもう1個石材が置かれてます。
これら石材は露出というよりも、元々存在した石室を解体して、
残った石材を現在見られる様に安置した感じ(^^;
石室の存在は早くから知られていますが、出土遺物が知られていない辺り、
石室開口と共に、遺物も散逸してしまっていると思われます。。。
調査が実施されていない為、確定的ではありませんが、
築造年代は6世紀後半頃ではないかと思います(^^;
北西から
北西方向から。。。
樹木は無いですが、雑草が墳丘封土上を覆っている為、
土器片などは見当たりませんでした。。。

:おはやし山1号墳:
・所在地:坂戸市森戸40-3
・墳形:円墳
・規模:直径16m✖高さ2m
・埋葬主体部:横穴式石室
・出土品:不明
・築造年代:古墳時代後期
・備考:頂部に卒塔婆と石材2個有り
    駐車スペース無し
    南西方向に公民館無料駐車場有り

次回はおはやし山2号墳を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

GWは如何お過ごしでしょうか?
10連休なんて方もいらっしゃるそうですが、
自営業の私は暦通りだったりします(^^;

さて、前回の投稿から日が空いてしまいましたが、
坂戸市内に3基のみ現存する浅羽野古墳群から、
今回は大塚古墳とも呼ばれているコチラの古墳を紹介します。
北東から遠景
北東側から見た浅羽野4号墳(大塚)遠景。
墳丘全体が墓地化されており、裾と頂部の一部が露出しています。
墳丘近景と板石卒塔婆
墳丘近景と頂部付近に建てられた板石塔婆。
板石塔婆は鎌倉時代末期頃に建立された物で、
レプリカでは無く、本物の石材です(^^;
頂部から見下ろす
頂部から見下ろした感じ。
高さは2m程度です。
板石塔婆説明板
説明板が設置されていますが、板石塔婆に関してのみで、
古墳には一切触れられておりません(^^;
頂部
頂部の様子。
土師器片
板石塔婆の周囲に土師器片が散乱しています。
須恵器片は見られなかったので、築造年代は6世紀中~後半頃でしょうか?
塔婆基礎の石材
板石塔婆の基礎部分の石材と横に置かれている石材が気になって撮影(^^;
当古墳の発掘調査は実施されていない為、
主体部や副葬品は一切不明ですが、年代的&墳丘規模的に、
主体部は横穴式石室と思われます。

:大塚古墳:
・編号:浅羽野4号墳
・所在地:坂戸市浅羽995 浅羽橋場墓地内
・墳形:円墳
・規模:直径24m✖高さ2m
・埋葬主体部:未調査
・出土品:不明 土師器片散乱確認
・築造年代:後期~終末期
・備考:墓地化により改変
    頂部に応長2年造立の板石塔婆有り
    駐車スペース無し

次回はおはやし山古墳群を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は浅羽野古墳群の2号墳を紹介します。
東から遠景
東から見た浅羽野2号墳全景
頂部に稲荷大明神が祀られているので、稲荷塚古墳とも呼ばれています。
線路脇の細い道から少し入った所に所在。
生垣の脇に駐車場が有りますが、こちらは私有地なのでご注意(^^;
北東から
北東側から。。。
参道正面からだと墳裾がよく見えないので、少し脇に避けて撮影。
頂部から見下ろす
墳頂部から見下ろした感じ。
参道入口近くに白い車両が見えますが、
この運転手様が「写真撮ってるから何用なのかな」と、
少々訝しげに聞かれたので、「市内の古墳を見学させて頂いてます」と、
お伝えしたところ、「そういった事ならば良い」との事で、
見学する許可を頂けました(^^;
この古墳を含む周辺の土地の所有者様だそうで、
日頃から荒らされていないか注意/監視しているとの事ですので、
見学の際はご注意下さい(^^;
頂部祠
墳頂部の様子
頂部中央付近に稲荷大明神を祀る石祠が安置されてます。
見学の許可を頂いたので、墳丘もじっくり観察しました(^^
石室開口が多い南側斜面も観察してみましたが、
特に石材の露出などは認められませんでした。
西側と北側の一部は、墳丘に接している辺りで建設工事が行われていたので、
そちら側は観察できていません。。。
頂部石碑?
ただし、頂部平坦面北側にこの様な石碑?が有り、
土台に使用されている石材の方が、石室石材っぽく見えます。
石碑の方は特に文字が刻まれている様子は有りませんでした。
土器片なども見られなかったので、築造年代は6世紀末~7世紀代頃でしょうか?
私有地の場合、調査は簡単では無いでしょうけれど、
築造年代確定の為の調査くらいは実施して頂きたいですね。

※古墳所在地ですが私有地内の為、詳細は控えさせて頂きます。
:稲荷塚古墳:
・編号:浅羽野2号墳
・所在地:坂戸市中富町
・墳形:円墳
・規模:直径20m✖高さ2m
・埋葬主体部:未調査
・出土品:不明
・築造年代:後期~終末期
・備考:頂部に石祠/石碑有り
    駐車スペース無し
    土地所有者が居た場合は必ず許可を得る事

次回は浅羽野4号墳(大塚)を紹介します。

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