関東の古墳&陵墓研究

関東地方(主に埼玉県や茨城県)の古墳や遺跡、神社仏閣等を見学し紹介してます。 個人的に好きな陵墓関係の記事や書籍も紹介してます。

上尾市

皆様おはようございます(^▽^)

本日は上尾市内で墳丘が観察できる貴重な古墳を紹介します。
牧場
古墳はこの榎本牧場さんの敷地内に有り、
古墳本体は中央右側の三角屋根の販売店裏側に有ります。
また、下に写真を掲載しますが、古墳への見学路は、
青緑色の自転車の奥に自販機が見えますが、
この直ぐ裏に細い通路が有り、そこが見学路となってます(^^
ただし、見学には事前に販売店で見学の旨を申し出て下さい。
寒い時期なので、🎵ホットココア🎵がオススメです(^^
ヨーグルトも濃くて美味しかったです🎵
接近路入口
こちらが古墳へ至る見学路入口です。
接近路
また、お店の直ぐ脇に喫煙所が有りますが、
こちらからも通路に入ることが可能です。
喫煙されていた方々や付近で休憩されている方々から、
「そんな所通って何処に行くの?」と怪訝な顔をされますが、
気にせず行きました(^^;
注意書き看板と墳丘
通路を進むとまずこの看板が見えます。
直ぐ背後は墳丘となってます(^^
墳丘近景
1枚上の画像とほぼ同じアングルですが、
この墳丘が殿山古墳です。
墳丘実測図と出土品
「埼玉の古墳 北足立・入間」に掲載されている墳丘実測図と出土遺物実測図。
元は円墳でしたが、東西方向を削られており、
埋葬主体部付近とその周囲を残す様な形で残っております。
東側は榎本牧場建設で、西側は墓地となってます。
説明板
その墓地内にはこの様な説明板が設置されています。
尚、説明板は古墳の背後(北側)に有りますが、
こちらからは古墳へ行くことは不可能ですので、ご注意下さい。
遺跡全体航空写真
遺跡全体の航空写真
中央の木立が殿山古墳、赤い☆が説明板が有る場所です。
隣接する殿山聖地墓苑の造成の際の発掘調査で、
古墳の北側に4基の方形周溝墓が発見され、
1号→2号→3号→4号→殿山古墳の順に造営されたと考えられ、
方形周溝墓から古墳へと連続して築かれた貴重な例とされる。
また、殿山古墳の墳丘下からは旧石器時代の石器も見つかっており、
こちらは県指定有形文化財(考古資料)となっている。
また、殿山古墳を取り込む形で殿山城の痕跡が推測されていたが、
1989年の調査で遺構が検出された事により存在が明らかになってます。
方形周溝墓群跡地遠景
尚、方形周溝墓群は調査後破壊され、墓地と化してます(泣
墳頂部祠
話を古墳に戻します(^^;
墳頂部には祠が2柱祀られてます。
扉は閉じられていたので、何の神様が祀られているかは不明です。
墳丘正面
南から見た墳丘の正面。
石製の鳥居と灯篭が見えます。
こちらが本来の古墳入口となりますが、、、
IMG_0885
現在は牧場で飼育されている牛へのウィルス感染を防ぐ為鎖や柵で封鎖されてます。
また、写真右側に立札が見えますが、この立札は古墳の説明板です(^^;
説明板がこの様な状態で読むことも撮影する事も出来ないので、
霊園内に設置されている説明板で我慢する他無いです。。。
古墳正面入り口(閉鎖中)
尚、こちら側が古墳への正規ルートですが、
上で書いた様に現在は一般の立入は禁止されている上、
あちこちに「職員以外立入禁止」と書かれた札が掲示されているので、
無理に侵入しないようにして下さい。
墳頂部から見下ろす
墳頂部から見下ろした感じ。
東西を削られて半壊状態ですが、高さはそこそこ残っている様に感じました。
埋葬主体部存在付近
祠は中央からやや西にズレた位置に有るので、
樹木の株が有る辺りが埋葬主体部の有る場所だと思われます。
墳丘規模や築造年代、礫などの石材が見当たらない事などから推測すると、
木棺直葬や粘土槨辺りかと思われます。

:殿山古墳:
・所在地:上尾市畔吉736ー1 榎本牧場敷地内
・墳形:円墳
・規模:直径40m✖高さ3m
・周濠の有無:有り(調査後破壊)
・埋葬主体部:未調査 
・出土品:鉄鎌、壺型土器、坩型土器2(底部穿孔土器)
・築造年代:5世紀前半
・史跡の指定区分:市指定史跡
・備考:墳頂部に祠2柱有り
    見学は榎本牧場に要許可
    榎本牧場の駐車場有り

これで今回の見学記は一旦終了です。
後日別の古墳へ見学に行く予定ですので、
今しばらくお待ち下さいませ~(^^/

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は上尾市内に有る古墳跡地から。。。
説明板と標柱
グーグルマップには「古墳出土銅鏡」と記載されており、
現地には標柱と説明板が設置されています。
説明板拡大
説明板拡大
この地には以前に江川山(イガヤマ)古墳と呼ばれる古墳が有り、
正確な場所は不明なものの、直径10m程の円墳(高さは不明)の規模を有していた事や、
そこから2面の銅鏡(捩文鏡と獣形鏡)の他、直刀・玉石・土器片などが、
出土したことが記載されています。
尚、鏡は当初土地の所有者である新藤家が所蔵していましたが、
現在は埼玉県立歴史と民俗の博物館に寄託され展示されています。

※2022年追記
埼玉県立歴史と民俗の博物館に見学に行きましたが、
個人蔵の出土遺物は撮影不可との事でした(泣
常設展示されています(^^

出土遺物実測図
「埼玉の古墳 北足立・入間」に掲載されている出土遺物実測図
この図と説明文によると、出土した土器片とは高坏であり、
玉石とは出雲石製管玉2個となってます。
標柱背後
標柱の背後は畑地となってますし、説明板の有る場所は緑地となってます。
説明板にも「新藤家南側の」と記載されているので、
古墳が有った場所は畑地になっている辺りか、
この緑地部分のどちらか付近だと思われます。
痕跡を示す様なものは何一つ見られません。。。
また、埋葬主体部については、『報知新聞埼玉版 昭和10年(1935年)』に、
「木棺にをさめた銅製の鏡や直刀 大石村地内の古墳」という見出しから、
木棺直葬と考えられていますが、『埼玉史談』には「此の方面特有の
地を掘り下げて石室を造ったもので有る。石槨の用材は下里石と思ふ」と有る様に、
石囲い木槨or竪穴式石室内に木棺のどちらかであると推定されています。

尚、説明板が設置されている前の道路は道幅が狭いので、
次の記事で紹介する殿山古墳がある榎本牧場さんの駐車場に止めてから、
歩いて(距離は800m程です)見学した方が無難です。

※古墳所在地ですが個人宅敷地内の為、詳細は控えさせて頂きます。
:江川山古墳:
・所在地:上尾市畔吉 個人宅敷地南側敷地内
・墳形:円墳
・規模:直径10m程度(高さ不明)
・埋葬主体部:木棺の周囲を緑泥片岩様の石材で囲っていた模様
       (石囲い木槨or竪穴式石室内に木棺か?)
・出土品:仿製捩文鏡、仿製四獣形鏡、直刀、土器片、玉石
・築造年代:4世紀後半と推定
・備考:墳丘は開墾により削平
    銅鏡は上尾市指定有形文化財
    「イガヤマ」の呼称有り
    駐車スペース無し

次回は殿山古墳を紹介します(^^

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