皆様こんばんは~(^◇^)

本日はひたちなか市に有る、
酒列磯崎神社境内とその周囲に散在している、
磯崎東古墳群の見学記を書きます(^^
尚、古墳番号は念のため資料を見ながら、
割り振りましたが、多くが間違ってるかもしれませんので、参考程度にお願いします(^^;
また、数が多くて全部は見れてません。。。
数回通う必要が有りそうです。。。
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ひたちなか市埋蔵文化財調査報告書(PDF形式でダウンロード可)から抜粋。
数字が記載されている黒い囲いは調査が行われた場所、
白丸は消滅した古墳、黒丸は現存する古墳を示してます。

当初は円墳30数基で構成され、
5世紀後半~6世紀前半頃に成立したとされていましたが、
調査で7世紀後半頃の須恵器平瓶が出土したため、
長期間に渡って営まれた古墳群であり、
円墳だけでなく、帆立貝型前方後円墳や方墳も含まれる事、
埋葬主体部も木棺直葬だけでなく、自然石を積んだ、
小型の横穴式石室や箱型石棺が検出されるなど、
色々な事が判明しております。

これまでに行われた調査の概要を。。。
・第一次調査 1989年 古墳2基
 2段の葺石を持つ帆立貝型前方後円墳1基と、
 珠文鏡が出土した円墳1基を調査
 この2基は酒列磯崎神社境内に隣接する、
 ホテル建設に伴い調査されたもので、
 古墳は調査後破壊&消滅している。

・第二次調査 1990年 石棺2基
・第三次調査 1991年 横穴式石室1基
 これらの調査では、石棺2基、横穴式石室1基が検出。
 但し報告書未完のためどの古墳か等の詳細は明らかでない。

・第四次調査 1995年  石棺1
 自然石を積んだ横穴式石室が検出されたが、
 遺物は出土しなかった

・第五次調査 2004年 周濠1
 円墳の周濠の一部が調査され、7世紀第3四半期に、
 位置づけられる須恵器平瓶が出土

・第六次調査 2007年 検出物等無し
・第七次調査 2011年 石棺1
 海岸部の崖に長軸1.5mほどの小型の石棺が露出していた為、
 平成23年4月に実施されたが、人骨以外の遺物は無し。

・第八次調査 2011年 石室4(横穴式石室1)、古墳1
 磯崎小学校仮校舎建築に伴う試掘調査であり、
 調査の結果、長軸2m強を測る小型の石室4基と、
 横穴式石室を持ち周濠が巡る(周濠外径約20m)円墳1基が確認。
 出土遺物は、第1号石室の確認面からフラスコ形長頸瓶を含む、
 須恵器片が散在して出土。

・第九次調査 2011年 第八次調査の本調査
・第十次調査 2013年 石室1、方墳1、濠2、土抗1
 個人住宅建設に係る文化財保護法93条1項に基づく届出が
 提出されたため、試掘調査を実施。
 太平洋を望む海食崖から240m離れた地点に位置し、
 調査対象地内に5ヶ所のトレンチを設定。
 方墳は第3トレンチで石室の一部が確認され、
 石室の両側3m強ほどの位置で周濠と見られる溝を検出。
 石室は奥壁と見られる石材が確認されたのみで、
 出土遺物は無い為、築造時期は不明。
 尚、土抗も出土遺物が無い為時期不明。

磯崎東古墳群 概要
30数基の円墳と帆立貝型前方後円墳(2号墳 破壊済)、
方墳1基(1号墳 破壊済)で構成される古墳群で、
酒列磯崎神社境内と付近に建つホテル周囲に多く現存する。
神社参拝者用駐車場向い側に位置する19号墳のみ、
石室材と思われる複数個の石材が確認できる。
埋葬主体部については、横穴式石室の他、
箱型石棺が検出されているが、報告書未完の為、
具体的にどの古墳かまでは不明。
規模は直系20m前後✖高さ2m程度の物がほとんどだが、
中には直径が40mを超える規模の大きな墳丘も残っている。
築造年代及び古墳群の成立年代は、
5世紀後半~7世紀中頃とされているが詳細は不明。
出土品について、記録が残っている物は以下に。。。

・2号墳=珠文鏡、大刀、鉄鏃、刀子
・6号墳=人骨、刀、槍、甲冑
・22号墳/24号墳=直刀、刀子、鉄鏃、骨鏃
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推定3号墳
高さは2m以上有りますが、墳丘上に見られる石材は、
石室に関係するものでは無く、神社建築に伴うものと思われます。
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推定4号墳。
円形では無く、やや扇形の様な形状ですが、元は円墳であると思われます。
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推定6号墳
古墳よりもその前に聳え立つ大きな樹木の幹に目が行きます(^^;
こちらは高さが3m以上有ります。
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推定8号墳
上の3基と比べると一回り大きく、直径30m以上✖高さ5m程度有るかと。。。
また、右下に一部写ってますが。。。
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葺石か石室石材と思われる礫が積まれてます。
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推定11号墳
奥に見えてる建物は社務所兼車庫です(^^
コチラは直径15m✖高さ1.5m程の小型の円墳。
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推定18号墳
ホテル寄りにある古墳で、
磯崎東古墳群中、最大規模を誇る円墳です。
直径40m以上✖目測高さ6mはあろうかという規模。
見学用散策路から少し奥に入った所にあります。
近づいてみようかと思いましたが、装備不十分だったのと、
前日降った雨でぬかるんでおり、接近は危険と判断した為、断念しました(^^;
直ぐ手前に17号墳の円墳が有るのですが、
接近して築かれている為、遠目には前方後円墳に見えます。
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19号墳
参拝者用駐車場と道路を挟んだ向かいに位置する古墳で、
唯一、石室材が見学できます(^^
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露出した石室材の上に小さな祠が祀られてます。
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石室内部。
内部は完全に埋まってますが、規模的に小型の横穴式石室だと思われます。
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推定20号墳
19号からホテル方向に進んだ民家脇に有ります。
見学した際は、ご覧の様に雑草に覆われてました(^^;
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推定21号墳
ホテル(ホテルニュー白亜紀)前に、史跡公園的な状態で保存されてます。
散策路(未舗装)が有る上、中心部分にベンチが設置されているので、
ゆっくり見学できますが、古墳自体は基本現状保存の模様(^^;
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推定23号墳
樹木が少ないので見学し易いですが、高くなりつつある気温のせいで、
下草が茂り始めてました。。。
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推定25号墳
公園の南端に有る古墳で、一部道路で削られてますが、
概ね築造当時の形態を残している模様。
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この古墳では、墳頂部南寄りに石室の一部と思われる、
石材が露出しているのを観察できます(^^
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推定28号墳
右奥に見えてる建物は磯崎小学校の体育館です。
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推定29号墳
直ぐ背後は公民館の駐車場ですが、公園からは下草が茂り過ぎていて、
接近は少々難あり。。。
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番号不明の古墳。
直径15m程✖高さ2m程度の規模。

磯崎東古墳群は酒列磯崎神社の本殿背後から、
南方向に有る磯崎幼稚園の先くらいまで点在しています。
尚、ホテルから先の道路は道幅が狭い為、
神社の参拝者用駐車場に車を停めてから、
徒歩や自転車などで見学する事をオススメします(^^

川子塚古墳や大穴塚古墳など含め、
この辺りは古墳密集地帯なので、
時間を作ってゆっくり見学し、
見学記の続編が書ければ良いな~。。。と思っております(^^

また、正確な古墳番号が判明次第、随時訂正致しますので、
現段階では「あくまでも推定」という形での紹介となった事を、
ご容赦下さいませ。。。m(_ _)m

:磯崎東古墳群(いそざきひがしこふんぐん):
・所在地:ひたちなか市磯崎町4067 酒列磯崎神社境内及び周辺
・墳形:帆立貝型前方後円墳(消滅)1基、円墳30数基、方墳1基

・規模:直径10~40m、高さ1~4m
    帆立貝型前方後円墳の規模は記載無し
・周濠:周濠を持つものも有り
・埋葬主体部:箱型石棺、横穴式石室、木棺直葬
・出土品:
珠文鏡、大刀、鉄鏃、刀子、人骨、槍、甲冑
     直刀、骨鏃、須恵器平瓶、フラスコ形長頸瓶、
・築造年代:判明している古墳は5世紀後半~6世紀前半
      判明していない古墳の年代は古墳時代中期~終末期
・史跡の指定:市指定

・備考:ホテル建設時、学校建設時に数基破壊
    神社の奥は禁足地の為侵入禁止(
防犯カメラ有り
    地震の際に出来たひび割れ多数により崖近くは注意
    神社参拝者用駐車場有り