関東の古墳&陵墓研究

関東地方(主に埼玉県や茨城県)の古墳や遺跡、神社仏閣等を見学し紹介してます。 個人的に好きな陵墓関係の記事や書籍も紹介してます。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は神川町内に広く分布する青柳古墳群から、
南塚原支群ラストの現存墳丘を紹介します。
東から遠景
東側農道から眺めた南塚原42号墳遠景
民家脇&畑地内に有る為、これ以上近づけません(汗
No.125号墳と編号されてます。
墳丘規模は直径12m✖高さ1.5mの円墳です。
ズーム(東から)
ズームしてみると、墳丘裾を河原石で補強(土留め?)されてます。

南塚原42号墳(No.125号墳):
・墳形:円墳
・規模:直径12m✖高さ1.5m
・備考:畑地内にある為接近しての見学不可

また、南塚原42号墳の南側畑地内に古墳跡が有りますが、
その古墳跡地に接している北側農道で、
農道上に落ちていた土器片
土師器片と思われる土器片が幾つか散見されました。
この古墳跡に由来するものと思われます(^^

次回は中新里諏訪山古墳を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は神川町内に広く分布する青柳古墳群 南塚原支群から、
大塚稲荷古墳の周囲に散在する4基の古墳を順に紹介します(^^

まずは、大塚稲荷古墳の北東側に近接しているコチラから。。。
墳丘全景
南側道路から見た南塚原12号墳全景
No.99号墳と編号されています。
墳丘は畑地内に有るために近寄れません。
墳丘上には農作業用の用具が置かれてますね(^^;
直径17m✖高さ1.5m程の円墳ですが、
航空写真で見ると南北にやや細長い楕円形状になっているので、
本来はもう少し大きいのでは?と思われます。。。

南塚原12号墳(No.99号墳):
・墳形:円墳
・規模:直径17m✖高さ1.5m

次は12号墳から南西方向に近接している、、、
IMG_3021
南塚原13号墳全景
No.107号墳と編号されてます。
南塚原支群に属している残存墳丘の中で、大塚稲荷古墳に次いで高さが有ります。
墳丘規模は直径18m✖高さ3.5mの円墳。
上の写真は南側から撮影したものです(^^
墳丘周囲は散策できるようになってますが、枯草で覆われていて、
石材や土器片などは確認できません(^^;
IMG_3020
北側から墳丘に近づいて。。。
墳頂部平坦面は広めですが、墳丘東側が調整池管理施設で削られている影響で、
だいぶ斜面角度が急角度になってます。。。
元の墳丘直径は20m程度は有ったのではないでしょうか?(^^;

南塚原13号墳(No.107号墳):
・墳形:円墳
・規模:直径18m✖高さ3.5m

お次は大塚稲荷古墳の南東方向の畑地隅に所在している墳丘。
墳丘全景
南から見た南塚原14号墳全景
No.132号墳と編号されてます。
墳丘規模は直径10m✖高さ2.5mの円墳です。
近景
西側農道から。。。
雑草や灌木が凄くてこれ以上は近づけませんでした(^^;

南塚原14号墳(No.132号墳):
・墳形:円墳
・規模:直径10m✖高さ2.5m

お次は大塚稲荷古墳の南方向の畑地内に有る墳丘。
IMG_3024
北東方向から眺めた南塚原16号墳遠景
上の写真を撮影した際に居た農道の右側に南塚原15号墳が有るそうですが、
最近削平されたのか、雑草が生い茂るばかりで墳丘らしい物体が確認できなかったので、
完全に下草が枯れて無くなる頃(12月以降)に改めて観察してみようと思います(^^;

南塚原16号墳に話を戻して。。。
No.113号墳と編号されてます。
墳丘規模は直径10m✖高さ2mの円墳です。
IMG_3006
北側道路から。。。
埋葬主体部について資料では横穴式石室と記載されてますが、
現在墳丘上に露出している石材は見当たりませんでした。。。

:南塚原16号墳(No.113号墳):
・墳形:円墳
・規模:直径10m✖高さ2m
・埋葬主体部:横穴式石室

次回は南塚原42号墳を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は神川町内に広く分布する青柳古墳群南塚原支群から、
現存墳丘で唯一の前方後円墳を紹介します(^^
北東方向から墳丘遠景
北東側から見た南塚原9号墳全景
手前が後円部で民家側が前方部となります(^^
大塚稲荷古墳からは西に約200m程の距離です。
墳丘規模は全長24.5m、後円部径13.5m✖高さ2.25m、
前方部幅は11.5m✖高さ2.5mで、後円部の南側斜面に、
片岩系の河原石が露出している為、主体部は横穴式石室と推定されています。
・・・ただ訪問した時はご覧の有様で、露出している片岩などは分からない状況(^^;
後円部から前方部方向
後円部側から前方部を眺めた感じ
後円部側の農道から接近しようと思いましたが、
雑草の茂り具合が凄い上、衣服にくっつく種を持つ植物がたくさん生えていたので、
墳丘上に登るのは断念しました(^^;
一応、片岩が露出しているという南側斜面も見てみましたが、
それらしき石材も観察できない程の茂り具合でした(汗
墳丘実測図
「埼玉の古墳 児玉」より墳丘実測図を。。。
6世紀後期~末頃の墳丘形態だと、後円部径よりも前方部幅の開き具合が、
大きくなる傾向が多いですが、こちらは開墾や耕作の影響により、
削られた結果、くびれも少ない形状になったと思われます(^^;
実測図では前方部・後円部共に、頂部に盗掘痕を思わせる窪みが見られますが、
現在も見られるのかは不明です。。。
尚、遺物は墳丘上から埴輪片が採集されており、
横穴式石室を内蔵する古墳という事などから、
築造年代は6世紀後半代と推定されています。

:南塚原9号墳:
・所在地:児玉郡神川町新里231付近
・墳形:前方後円墳 葺石
・規模:全長24.5m 後円部径13.5m✖高さ2.25m
            前方部幅11.5m✖高さ2.5m 
・埋葬主体部:横穴式石室と推定
・出土品:埴輪片
・築造年代:6世紀後半
・備考:後円部南側斜面に片岩系石材露出
    前方部・後円部両頂部に盗掘穴有り?
    駐車スペース無し

次回は南塚原12、13、14、16号墳を紹介します。

皆様こんにちは~(^▽^)

本日から青柳古墳群 南塚原支群に属する古墳を紹介していきます(^^
まずは、支群中最大規模を誇るこちらの古墳から。。。

〇青柳古墳群 南塚原支群
 大塚稲荷古墳(南塚原1号墳)など75基が確認されているが、
 墳丘が残存している古墳は17基である。
 古くは明治45年(1912)の開墾で、全長16mの前方後円墳が発掘され、
 横穴式石室内から須恵器坩、算盤玉、勾玉、管玉、小玉、金環、鉄刀、鉋、
 須恵器堤瓶、はそう等の遺物が出土。

墳丘全景
南東方向から見た大塚稲荷古墳全景。
南塚原1号墳と編号されており、町指定文化財として保存されています。
南塚原支群の中で最大規模な上、墳丘裾に周濠の窪みが確認できるなど、
遺存状態もとても良好です(^^
標柱と説明板
墳丘の北側近くに標柱と支群の説明板が設置されてます。
説明板
説明板は主に支群全体の説明で、1号墳は墳形と規模のみ記載
塚原支群分布図
説明板には南塚原支群の分布図が掲載されてます。
黒丸が残存墳丘、グレーが調査済み墳丘、白丸が古墳跡です。
ただ、現地に行った結果、掲載時は残存していたであろう墳丘が、
幾つか破壊されている上、それらは反映されていないので、
この分布図は訂正が必要と思います(^^;
墳丘実測図
「埼玉の古墳 児玉」に掲載されている墳丘全体図
9本のトレンチ設定と南西に向けて開口する横穴式石室が記載されてます。
現地説明板には径約40mと記載されていますが、「埼玉の古墳」では35m以上
「埼玉県古墳詳細分布報告書」では約40mと、記載が一致してません(^^;
また、一部では帆立貝型前方後円墳の伝承も有りますが、
調査で円墳である事が確定しているので、この伝承は誤りと言えそうです。
 
墳丘の概要ですが、墳丘直径35~40m✖高さ5.6m、
葺石を持つ三段築成、現在石室は破壊されて見る影も無く、
石室の有った場所に稲荷の祠が祀られてます。
出土遺物は円筒埴輪、形象埴輪(人物、馬、大刀、鞍、家)、
土師器(壺、甕、坏、高坏)、須恵器(甕、堤瓶)がある。
銅鏡出土の伝承も有りますが、定かでは有りません(^^;
両袖型横穴式石室は調査時で、羨門から奥壁までの長さは11.2m、
玄室の奥壁は1枚石、玄室推定幅約3m✖高さ2.7m。
築造年代は6世紀後半と推定されています。
周濠の窪み
墳丘裾に見られる周濠の窪み
墳頂部からの眺め
頂部最高所からの眺め
周囲に高い建物が無い為、とても見晴らしが良いです(^^
石室跡?
奥壁が有ったと思われる場所から羨道方向を見た感じ
位置的に玄門が有ったと思われる場所に稲荷の祠が祀られてます。
調査の段階で既に破壊が進んでしまっており、
また調査後に石材は全て抜かれてしまった模様で、
現在石室石材を彷彿とさせる石材は一切見られません。。。

尚、以下の写真の様な行為は地方に行くとまれに見られる光景ですが、
盗掘穴と掘りだした土
祠の背後斜面に空けられた穴と掻き出された土
墳丘を長芋などの栽培に利用している例はたまに見かけますが、
こちらの場合はこの1カ所のみでしたので、
興味本位で誰かが掘ったものと思われます。

墳丘を許可無く損傷する行為は、
埋蔵文化財保護法違反なので絶対に止めましょう

:大塚稲荷古墳(南塚原1号墳):
・所在地:児玉郡神川町新里374
・墳形:円墳 3段築成 葺石
・規模:直径40m(「埼玉の古墳」では35m以上)✖高さ5.6m
・周濠:有り
・埋葬主体部:両袖型横穴式石室(現在破壊済み)
       全長11.2m 推定幅3m✖高さ2.7m
・出土品:円筒埴輪、形象埴輪、土師器、須恵器
     銅鏡出土の伝承有り
・築造年代:6世紀後半
・史跡の指定:町指定
・備考:頂部近くに稲荷社有り
    駐車スペース無し

次回は南塚原9号墳を紹介します。
1号墳の近くに12~14号、16号墳が近接していますが、
あえて番号が若い順番に紹介していきます(^^

皆様こんにちは~(^▽^)

本日は前回に引き続き、青柳古墳群 関口支群の、
残存古墳を紹介していきます(^^

まずは、1号墳の南東側に半壊の状態で残されている2号墳を。。。
西から遠景
西側道路から見た関口2号墳遠景
民家と介護施設の間に径の割に高さの低い墳丘が確認できますが、
接近路が無いため近づいての見学は止めておきました(^^;
墳丘規模は直径16m✖高さ1.2m程です。
畑として利用
「半壊」とした理由は、墳丘が畑地として利用されているから(^^;
畝と大きく育ったネギが確認できました(^^;
1号墳を見る限り、高さはもう少し有ったのでは?と思われますが、
経年劣化(風雨)なのか、耕作で低くなったのかは判断出来ません。。。
史跡の指定区分は不明ですが、許可無く畑として利用するのは、
如何なものか?と思います(^^;

:関口2号墳(No.69号墳):
・所在地:児玉郡神川町関口
・墳形:円墳
・規模:直径16m✖高さ1.2m
・備考:現在畑地として利用

次は2号墳の南西に位置する3号墳を。
北から
北東側から見た関口3号墳近景
東側を墓地と堂建築物で削平されている模様ですが、
それ以外は比較的良好に残っています。
東から
東側の堂建築物の裏から接近してみましたが、
硬い枝やゴミ、古い墓石などが散乱していたので、
頂部への接近は止めておきました(^^;
規模不明の円墳とされていますが、目測規模は直径10m✖高さ1.5m程です。
1号墳で見られたような葺石は有りませんし、
封土が露出している箇所付近を観察してみましたが、
土器片や埴輪片などは見られませんでした。
頂部
少し近づいて頂部を。。。
平坦面は狭めでやや尖った様な形状になってますが、
太い幹の樹木が有るので、その様に見えるだけかもしれません。

:関口3号墳(No.70号墳):
・所在地:児玉郡神川町関口38 今城青坂稲実池上神社北側に所在
・墳形:円墳
・規模:不明(目測直径10m✖高さ1.5m)
・備考:墓地化により一部削平

次は4号墳を。。。
北から
北から見た関口4号墳遠景
一見すると造成残土の様に見えますが古墳です(^^;
4基の中で最も接近が難しい墳丘と思われます。。。
西から
西から。。。
こちらも規模不明の円墳とされていますが、
目測規模は直径8m✖高さ2m程と思われます。
4基の中で最も高さがある墳丘ですが、
径が小さいのは耕作で削られた為と思われます。

:関口4号墳(No.71号墳):
・所在地:児玉郡神川町関口56-8
・墳形:円墳
・規模:不明(目測直径8m✖高さ2m)
・備考:耕作の為だいぶ削られている模様

オマケ。。。
関口3号墳の南側に今城青坂稲実池上神社が鎮座していますが、
その境内に気になる箇所を見つけたのでUPしておきます。
尚、神社の南側に縦列駐車で2台ほどのスペースが有りますので、
関口古墳群を見学する際は、こちらに停めると良いと思います(^^
近景
少し小高くなっているので、未掲載の古墳か?と思ってしまいます(^^;
比高差50cm
境内からは石段2段分(40cm程度)高くなってます。
疑惑地内部
内部の様子
形状不明の不整丘で、飛び石が並べられている以外は、
至る所に大きな石材が置かれており、小型の石祠が最奥部に祀られているので、
分祀用に設けた土地かと思われますが、少し小高くしている辺りが謎です(^^;

次回は青柳古墳群 南塚原支群の残存墳丘を1基づつ紹介していきます。

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